昨年リリースのデビュー作「Time Bomb」は、お世辞にも褒められないC級作だったと思う。薹が立ったガールズクラッシュというか、即物的なパーリー路線/空疎なまでのアップ曲で無内容。GG戦国時代にサバイバルは出来まいなと思った記憶がある。

さて、一年以上の沈黙を経て、ICIAが奇跡のカムバックを遂げた。それだけでもびっくりだが、何事も無かったかのようにオトナ向けに軌道修正。メンバーチェンジこそないものの、同じグループとは思えないほどの変身ぶりなのである。

『Sad Heel』は、エロく湿り気のある曲で、『ミニスカート』『ショートヘア』といった躍進期のAOA(&勇敢兄弟)に寄せた作風に軌道修正しており、結構これが聞かせるのである。

多分、前作の空回りがかなり堪えたのだろう。ソングオリエンテッドに徹した本作では、きちんと歌えて踊れる正攻法のグループに脱皮したと思う。 

ただ、現在のK-POP界では、セクシー系で頂点を目指すのは茨の道だ。SISTAR、4minuteは解散。AOAはチョア脱退で活動凍結。Nine Musesは四人組に縮小。Hello Venus、BESTie、Girl's Day、Dal★Shabet、Fiester、Stellerなど2009〜2011Lineで百花繚乱を誇ったセクシー系GGはことごとく活動停滞・休止状態に陥っている。

Twice、GFriendsら第四世代少女日常系の躍進もあって、いまやすっかり“露出エロオンニ”たちの時代は終わったの如き状況なのである。(唯一、ソルジ休業の片翼飛行のEXIDが健闘しているが)

今作で即チャートを賑わすのは無理としても、C級の上、B級のボトム辺りには食い込めると思う。

今後いい楽曲やプロデューサーに恵まれて、歌モノグループとしての熟成が進めば、さらに浮上する余地もあるだろう。(上位スペックのLABOUM、SONAMOO、CLCらが頭打ちしているのが現状なので、手放しでバラ色の未来を予想するのはキツイが。)

歌番組やセールスで即爆発は期待できないにしても、この路線で地道に活動曲を積み上げることが許されるのなら、K-POP GGのもう一つの大口支持層・部隊慰問興行など軍系の営業に活路が見いだせる。地道な営業を重ねれば、セクシー系氷河期で行き場を失った、“寂しいお兄さん”たちの推しも集まるだろう。

とりあえず、リル注目チームとしてメモしておきたい。

Members:

00:30 Nayoon(茶髪ロング 憂い顔:リードヴォーカル)
00:39 Hari (アッシュブロンド ベラ顔:ヴォーカル)
00:56 Leeae(ピンクブロンド ショート:メインヴォーカル)
01:29 Hyogyeong(黒髪ロング:ラッパー)